お茶のはなし

ほうじ茶の由来

ほうじ茶の発祥に関しては、諸説ありますが、物流や保存技術があまりない時代において、鮮度の落ちた茶を焙じることで、より美味しい茶を飲もうと試行錯誤した結果が今のほうじ茶の発祥とも言われています。

明治時代以降、富山をはじめ、石川・新潟などの北陸一帯でもほうじ茶は親しまれました。また北前船などの影響もあり、北海道へも伝播しました。これらの地域では、ほうじ茶の事を番茶という呼び親しまれています。
その後、金沢などで、茎を焙煎する「棒ほうじ茶」が生まれます。ここから徐々に、ほうじ茶の認識に変化が生まれてきます。これまで、品質の低いものが原料に使われていましたが、品質にこだわりより美味しいものを目指す流れが始まっていきます。そして、その流れは、ここ数十年で急激に加速します。


私たちも、その技術を切磋琢磨してきました。ほうじ茶は原料によって香りが異なり、特に上質の一番茶の茎を、独特の火入れ技術により焙煎することによって、その場にいる人みんながすごい良い香りと言っていただける香り高い棒ほうじを開発することができました。
当社では富山棒茶と名付け、今も研究を続けています。現代では、物流の発達により、良い新鮮なお茶が北陸にもすぐ届くようになりました。保存技術も進化しました。また、焙煎設備の進歩により、遠赤外線でじっくりと焙煎できるようになりました。これにより、お茶の持つ成分を十分に引き出し、旨味を表現する事が出来るようになりました。
これらにより、「ほうじ茶」は、より高品質で美味しいお茶へと変化を遂げました。今では、単に飲料としてだけでなく、お菓子やおしゃれなドリンクにも使用され、多くの方に親しまれています。