藤岡園のはなし

「黒河倉庫」からの出発

明治11年富山県旧黒河村(現射水市黒河)において、お茶の卸売りを始めたのが起源となっています。当時はお茶の卸売りだけでなく、その他産品も取り扱い、北海道・東北まで幅広く販売を行っていました。

創業当初は、村人たちが集まって商売をしていたと言われており会社名は「黒河倉庫」と呼ばれておりました。その後、お茶の卸売り事業を藤岡孝次郎が主に担当することとなります。

社名を「藤岡幸次郎商店」とし、お茶の卸売り事業に注力していきます。その後2代目藤岡五作のもと、「藤岡五作商店」、3代目藤岡成男(しげお)のもと、「藤岡商店」としたのち、1992年現在の「株式会社藤岡園」という社名となりました。しかし富山県内での、お茶栽培の急激な衰退もあり、徐々に卸売業は縮小となっていきます。
そこで、現社長である4代目藤岡啓一の時代において、小売り業に大きく舵を切ります。これまで卸売りを主としていた中で、1977年に「藤岡園 黒河本店」を小売店舗1号店として開店致しました。

また同時期に、戸出にあったショッピングセンターに「藤岡園 ハニー戸出店」(現在は閉店)も開店しました。
それ以降、富山県内では、ショッピングセンターが多く建設されていき、藤岡園はこれまで延べ13店舗のショッピングセンターに店舗を展開致しました。
小売業に進出した当初は試行錯誤の連続であり、ジェラートやクレープなど多くの試みを実施しました。その中で、現在でも藤岡園の知名度の一端を担う「抹茶ソフトクリーム」の販売を開始しました。また、2006年からは、自社にてお茶を使用したお菓子の開発をスタートしました。その後「自社挽き抹茶ロールケーキ」を開発し、こちらも現在でも多くの方に愛される商品となっております。

そして、2008年には、これまで「極上棒ほうじ茶」として販売していた商品を、「富山棒茶」と改め、より一層の美味しいほうじ茶を目指し、焙煎の研究・素材の選定に力を入れています。
藤岡園では、お茶を「荒茶」と言われる半製品の段階で仕入をし、その後自社にて、選定・焙煎・配合などを行い、藤岡園独自のお茶を製造しています。これらも全て創業から脈々と受け継がれています。
時代が変わり、富山県でお茶が栽培されていたことを知る方も多くはありません。しかしながら、確かにあったその文化を守り、未来を伝える事は我々の大きな使命です。これからも、富山のお茶文化の発展に尽力してまいります。